ChatGPTに毎回説明し直していませんか?小さな会社で作った「AI業務OS」の話

ChatGPTを仕事で使っていると、便利さと同じくらい、別の悩みも増えてきます。

たとえば、こんなことはないでしょうか。

  • 前にも説明した内容を、また最初から説明している
  • 別のチャットになったら話がつながらない
  • 前に決めた内容なのに、AIが古い情報を前提に返してくる
  • ChatGPTでは決めたのに、実装側のAIや作業者には伝わっていない

実はこれ、AIの性能だけの問題ではありません。

いちばん大きいのは、「会社として何を正式情報にするか」が曖昧なことです。

今回は、ニコ株式会社で実際に行っている、Google Driveを正本にしたAI運用について書きます。

これは理論だけの話ではありません。ニコ株式会社が運営する自社店舗で実際に試している事例も含めた、かなり実務寄りの運用です。

AIを使うほど「毎回説明する仕事」が増える

AIを仕事に入れ始めたばかりの頃は、ChatGPTに聞けば何でも早くなるように感じます。

ところが、実際に業務へ深く入れていくと、別の問題が出てきます。

  • 料金の案を何度か変更した
  • サービス内容を途中で見直した
  • Webサイトの導線を調整した
  • 予約方法や受付方法を修正した

こういう変更は、小さな会社では日常です。

問題は、その経緯が全部チャットの中に散らばることです。

すると、数日後・数週間後に再開したとき、こうなります。

  • どれが最新なのか分からない
  • 途中案と確定事項が混ざる
  • 別スレッドではまた説明が必要になる
  • 実装や運用に渡すときに情報がズレる

AIを使って仕事を速くしたはずなのに、「AIに説明し直す仕事」が増えていく。

ここで詰まる人は、かなり多いと思います。

問題は「AIの記憶」より「正式情報の置き場」だった

私も最初は、もっとAIに覚えてもらえばいいと思っていました。

でも実際には、そこが本質ではありませんでした。

問題は、会社としての正式情報がどこにあるか決まっていないことでした。

そこで今は、Google Driveを会社の「正本」にしています。

ここでいう正本とは、現在もっとも優先して参照する正式情報のことです。

会話ログ全部を正本にするわけではありません。検討中の案や、思いつきや、ボツ案を全部置く場所でもありません。

最終的にFIXした内容を置く場所として使います。

役割を分けると、AIの仕事はかなり安定する

今の基本の役割分担は、こうです。

  • ChatGPT:相談する、考える、比較する、整理する
  • Google Drive:会社の正式情報を保存する
  • Codex:FIX済みの内容をもとに実装や作業を進める
  • 人間:最終判断、確認、FIXを行う

つまり、AI全員に同じことを全部覚えさせるのではなく、同じ正本を確認できる状態を作るという考え方です。

この流れを、私は便宜上「AI業務OS」と呼んでいます。

実際の流れはシンプルです

やっていることは、難しいシステムではありません。

流れとしては、次の繰り返しです。

  1. ChatGPTで相談する
  2. 案を比較して整理する
  3. 人間が最終判断する
  4. FIXした内容をGoogle Driveの正本へ反映する
  5. Codexや次のAIは、その正本を確認して動く
  6. 作業後に監査・実機確認をする
  7. 問題なければ再度FIXし、正本を更新する

ポイントは、相談中の内容を、そのまま正式情報にしないことです。

AIとの会話は自由でいいですが、正式情報として使うのはFIX後だけ。この区別をするだけでも、かなり事故が減ります。

小さな会社ほど、この運用は相性がいい

このやり方は、むしろ大企業より、小さな会社や個人店のほうが相性がいいと思っています。

理由はシンプルで、現場の判断が早く、変更も多いからです。

たとえば、地域密着の小規模店舗では、こんな情報がよく動きます。

  • サービス内容
  • 料金や受付条件
  • 予約導線
  • LINEの案内文
  • ホームページの表現
  • SNSの発信方針

こういうものを全部「会話の中」に置いたままにすると、後からかなりブレます。

逆に、Google Driveの正本へ戻しておけば、次回からは「何が現在の正式情報か」を基準に動けます。

ニコストの実運用でも、この考え方を使っています

ニコ株式会社では、WEB制作事業だけでなく、自社店舗の運営でもAIを使っています。

たとえば、予約導線、案内文、サービス設計、Webサイト改善、SNSや記事制作など、実際の運用の中でAIが関わる場面は増えています。

その中で強く感じたのが、AIを増やすほど「何が正しい情報なのか」を先に決めたほうがいいということでした。

つまり、AI活用で本当に大事なのは、派手なテクニックよりも、AIが迷わない仕事の仕組みです。

「AIを賢くする」より「AIを迷わせない」

ここが、今回いちばん伝えたいところです。

AIを賢くすることより、AIを迷わせないことのほうが大事です。

ChatGPTに何でも覚えさせようとするより、Google Driveに正式情報を置き、そこを見れば仕事が続く状態を作る。

そのほうが、長期的にはずっと安定します。

とくに、ChatGPTだけでなく、Codexのような実装側のAIまで使うなら、なおさらです。

実際の構成・テンプレートまで見たい人へ

この記事では考え方を中心に紹介しましたが、実際に使っている構成やテンプレート、運用手順までまとめたものは、別で公開しています。

具体的には、次の内容まで含めています。

  • Google Driveをどう分けるか
  • 正本に何を書くか
  • 何を正本に入れないか
  • ChatGPTにどんな確認ルールを持たせるか
  • Codexへどう引き継ぐか
  • 実装後にどう監査するか
  • FIX後にどう正本へ戻すか

もし、「毎回説明し直すのを終わらせたい」「AI活用を単発で終わらせたくない」と思っているなら、こちらも参考になるはずです。

ChatGPTに毎回説明し直すのをやめる。Google Drive×Codexで作る「AI業務OS」完全運用マニュアルを見る

まとめ

ChatGPTを仕事で使うほど、問題は「AIの性能」だけではなくなります。

むしろ重要なのは、何を正式情報にするか、どこへ戻すか、誰が最終判断するかです。

今の私の結論は、かなりシンプルです。

  • ChatGPTは考える
  • Google Driveは覚える
  • Codexは動く
  • 人間が決める

この役割分担があるだけで、AIとの仕事はかなり安定します。

AI活用が単発で終わりやすいと感じているなら、一度「AIに何をさせるか」だけでなく、「AIが迷わない情報の置き場」から見直してみるのがおすすめです。

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